私はここ最近、とても胸をときめかせている。
『トニカクカワイイ』という素晴らしい漫画に出会えたからだ。
ラブコメの歴史は長く、奥が深いものであるが、そのラブコメの歴史に『トニカクカワイイ』という漫画が名を残すことは間違いない。
それが確信できるほどの名作である。
今回は、この『トニカクカワイイ』という素晴らしい漫画が、他のラブコメとどう違うのか、どのような点が心をめった刺しにしてくるのかということを紹介をしてみたいと思う。
『トニカクカワイイ』ってどういう作品？
数学やプログラミングに天才的な才能を発揮するイカレ数学野郎である主人公の「ナサ君」
ある日道端で出会った謎の美少女ヒロイン「司ちゃん」に一目ぼれをし、声をかけようとしたところ、大型トラックにひかれて意識を失ってしまう・・・。
ケガからなんとか回復し、バイトをしながらその美少女の行方をさがすも、なかなか見つからない日々を過ごす。。。。
そんなある日、突然その美少女が突然家を訪れてきて、そのまま結婚をすることに。
恋愛期間をすっとばしていきなり結婚から始まる、いちゃいちゃどきどきの同棲生活を描いたラブコメ漫画となっている。
『トニカクカワイイ』が人気の理由
すでにゴールイン？！いきなり結婚からのスタート
トニカクカワイイの特徴としては、出会ってから、友人→告白→恋人→プロポーズ→結婚という過程を経ずに直接結婚から始まっている点が大きな特徴である。
普通のラブコメではゴールとして描かれる「結婚」をあえて物語のスタートにすることで、今までのラブコメとは違った角度の漫画となっている。
具体的には、通常のラブコメでは、恋愛関係になるまでにいろいろとトラブルがあったりし、ちゃんと結ばれるのかをやきもきする点が読者をキュンキュンさせるのであるが、『トニカクカワイイ』ではすでに結婚しているのでそういった心配は皆無である。
すでに結婚という形で結ばれている2人がこれからさらにどうやって深く関係性を気づいていくのかという部分を読者は安心してみることができる。
恋愛関係になるまでにいろいろとトラブルや、気持ちの動きを経て、ようやく結ばれるといった今までのラブコメ的な内容に慣れてしまった現代の読者にとって、このような別角度のラブコメ、しかも、そういったどろどろの関係ではなく、安心していちゃいちゃだけを見ることができる漫画という点がヒットした理由の一つと考える。
現代のラブコメは、どろどろよりも「安心して見れるイチャイチャ」＝「癒し」を求めているので、『トニカクカワイイ』のこの設定はとてもマッチしているということが言える。
単なるイチャイチャでもそこに、結婚しているという「安心感」のある属性が加わることでまた違った味わいを生むという私にとってもとても新鮮な体験であった。
そんなことよりヒロインの司ちゃんがトニカクカワイイ
まぁ、現代のラブコメにマッチしているとか、テーマがどうこう言う前に、そもそもヒロインの司ちゃんがかわいすぎるっていうのがこの漫画のヒットの理由だ！
そんなことを言ってしまうと元も子もないが、本当のことだから仕方がない・・・。
『トニカクカワイイ』を読んで、司ちゃんのような妻が欲しいと思わない男がこの世にいるだろうか、、、いやいない。
トニカク、この場面を見てくれ！
なっ？？
不意打ち「ちゅ♡」からの、「ありがとう。」からの「大好き。」！
この３コンボをうけて立っていられる男がいるだろうか、、、いやいない、、、（くどい）
普段はクールな司ちゃんだからこそ、こういった愛情表現や感謝の言葉をストレートに目を見て言われた時の破壊力たるや・・・。
シンプルな言葉だからこそ、まっすぐ人の心の届く。そういった表現が『トニカクカワイイ』にはよく現れます。
『愛してる』『ありがとう』『助かったよ』
こういった言葉は思ってはいても口に出さないと伝わらない。
きちんと言葉にして伝えることの大切さを『トニカクカワイイ』では大事にしているのではないかと思う。
少年サンデーに掲載されていることの意義
この『トニカクカワイイ』は週刊少年サンデーに掲載をされている。
つまりは、この結婚生活いちゃいちゃ漫画を読む対象は大人だけではなく、まだ付き合ったこともないような小学生や中学生、高校生といった青少年もこの漫画に触れることになるのだ。
人間は、自分の知らないこと、知らない世界に強く惹かれるという習性をもつ。
恋愛もまだしたことのないような青少年たちが、『トニカクカワイイ』で描かれるいちゃいちゃ結婚生活という全く知らない世界に興味を持つのは当然の流れだといえる。
また、『トニカクカワイイ』では、単に主人公とヒロインのいちゃいちゃ結婚生活を描いているだけではなく、結婚の厳しい一面も比較的ポップな表現で教えてくれる。
この登場人物は主人公のナサ君と仲がいい後輩の要ちゃんなのだが、結婚生活のことをあまりわかっていない鈍感な主人公ナサ君にグサッとくる女性側の本音を教えてくれるという非常に重要な役割を担っている。
ヒロインの司ちゃんは完璧超人（パーフェクト超人）なので、特に文句も言わずナサ君についてきてくれているが、「現実の女性であれば・・・」「一般的な常識であれば・・・」といったことを適切な場面で教えてくれるところがこの『トニカクカワイイ』の素晴らしい点である。
恋愛、ひいては結婚生活のことを全く知らない青少年たちに、結婚生活の素晴らしい点を覗き見させてくれるだけではなく、注意しなければならない落とし穴も内緒で教えてくれるという結婚教育漫画としてはこれ以上ない教材である。
ちなみに、この要ちゃんはとにかくいい子で、先輩思いなのでかなりお気に入りです。
『トニカクカワイイ』では基本的にはキュンキュンしっぱなしなのですが、要ちゃんの出てくるシーンでは、ウルっとくる場面がなにかと多いです。
幸せになってもらいたいキャラNo.１！
結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです
『トニカクカワイイ』のすばらしさを改めて考えた時に、ふとこの言葉が頭に浮かんできた。
「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」
このキャッチコピーは結婚情報誌ゼクシィのCMで流れ、一躍有名となったキャッチコピーである。
未婚の人が増加し、結婚をしたとしても3人に1人は離婚をするこの時代。
結婚の意味を改めて考え、自分にとって本当に必要なものなのか、なぜするのかということを考えなければならなくなってきている。
この『トニカクカワイイ』はその結婚生活という今までラブコメでもあまり描かれてこなかったような場面を描くことで、ベールに包まれていた「結婚とはなにか」ということについて改めて考える機会を与えてくれているように思う。
『トニカクカワイイ』が特にすごいと思うのが、先にも述べたが、少年サンデーに掲載されているという点である。
これを読んだ青少年たちは、否が応でも結婚に何らかの憧れを持ち、結婚とはなにか、どういったものなのかといったイメージを持つことになるだろう。
『トニカクカワイイ』は結婚生活の理想形を凝縮し、さらに圧縮したような作品なので、この夫婦を目標としてしまうと現実とのギャップに絶望する可能性は大であるが、結婚において何を重視するのかということを認識することはとても重要である。
結婚したからといって理想のすべては手に入らないけど、自分の大切だと考えるものを手に入れる努力をすることはできるからである。
司ちゃんのようなパーフェクト超人の妻は手に入らないけど、自分がかわいいと思う点、大事にしたいと思えるような部分を持っている妻と結婚することはできる。
ナサ君と司ちゃんのようにいつもラブラブとはいかないけれど、「ちゅ♡」からの「ありがとう。」からの「大好き。」の必殺３コンボを繰り出してくれるよう妻にお願いすることはできるかもしれない。
大人になって結婚を考える年になったときに、結婚について何も知らない、考えたことがないという状態よりも、なにかしら理想でもいいので、こういった素晴らしい結婚という形があるのかということを知っておくと、自分が本当に結婚したいのか、どういう物を手に入れたいのかということを少しずつ自分の中で醸成することができるように思う。
そういった点で今、現時点においてリアルタイムで『トニカクカワイイ』を読むことでできている青少年、学校で『トニカクカワイイ』の司ちゃんについて語り合うことができている青少年たちがうらやましくてしょうがない。幸せだな！
私の場合、そういった教育漫画として機能をしたのは『藍より青し』という漫画だった。
『藍より青し』では大和撫子をきれいに表現した葵ちゃんというこれまた完璧な許嫁が出てくるのだが、子供ながらにこういった奥さんが欲しい、理想の結婚生活をしたいと思ったものである。
ただ、着物を毎日着て、青髪で、料理もうまくて、日本舞踊や茶道、華道も完璧でといったパーフェクト超人はほとんど存在しないので、そういった要素を持った人を探して結婚をしたというのが今現在である。
別に明確な目的意識をもって結婚するべき！というつもりはさらさらないのだが、自分にとって何が重要なのか、ということが１つでもあると、そこを大切に守りながら大事に結婚生活を送ることができるのではないかと考えるのである。
結婚は人を変えていく
もう一つ、『トニカクカワイイ』を読みながら考えることは「結婚は人を変えていく」というとである。
かの有名な神漫画『xxxHolic』においても、『人を変えられるのは、出会いだけだから』という名言がある。
えっ？この漫画自体を知らない？
こちらも『トニカクカワイイ』に負けず劣らず人生の考え方を変えてくれる神漫画ですのでぜひ読んでほしい。
話が若干逸れまたが、結婚って、家族以外の他人と人生で一番濃厚に関わる出来事であるといえる。
四六時中一緒にいて、いろいろな人生の分岐点で一緒に考え、行動し、お互いの考えをすり合わせるうちに、相手の考えの影響を受け、自分自身が変わっていく。
自分では気づかないけど、知らず知らずのうちに影響を受けて何かしら変わっていくのが結婚である。
『トニカクカワイイ』において、主人公のナサ君は、司ちゃんと出会い、人生の新たな目的、「司ちゃんを幸せにする」という大いなるやりがいに目覚め、そして、司ちゃんと一緒に過ごしたり、要ちゃんに教えられたりしながら、女性のことを理解し、気遣えるようになっていく。
一方で司ちゃんも最初はクールでミステリアスな印象だったが、ナサ君やナサ君の周りの友人たちと出会って、徐々に自分の素の部分を出し始め、恥ずかしがったり、突っ込んだりと、大きくキャラが変貌していくこととなる。
これは単に漫画の展開だから、というだけではなく、結婚すると少なからずこういった影響って確実にでてくると思う。
いままで出会わなかった、関わらなかった人たちと関わり、価値観がぶつかり合って、自分の価値観にも変化を及ぼす。
『トニカクカワイイ』では、結婚によって人が影響を受け、少しずつ変わっていくという部分も丁寧に表現していている点が読んでいてとてもしっくりくるというか、リアリティがあるなぁという点で感動した部分である。
私自身も、結婚してから、変わったことがあった。
結婚し、自分とは価値観の違う妻と一緒にいることにより、今まで以上に許せることが多くなり、人に対して少し優しくなれたように思う。
あと、どうぶつの森をやることになった。大きな変化である。
『トニカクカワイイ』は読む人の状況によっていろいろな受け止め方ができるとても素晴らしい漫画だと思う。
青少年であれば、まだあまり想像できない自分の理想の結婚生活を思い描き、妄想する。
結婚が控えている人はこれからの結婚生活をどのようにしたいのかという目標を見つけることができる。
現実はいやでも目にするし、自分で知ることができるから、まずは漫画で理想を知るところから！！
『トニカクカワイイ』でありったけのきらきらした理想を知って、現実との折り合いをつけていく。
そういった意味で『トニカクカワイイ』はとても貴重な結婚教育漫画だといえる。
また、理想を描いているからこそ、その理想を作るためにどのようにしなければならないのかといった方法についても教えてくれている。
「思ったこと、感じたことは素直に伝えること」
「相手に対しては正直であること」
「ドキドキを大切にすること」
「ちゅ♡」からの「ありがとう。」からの「大好き。」の３コンボ
全ては理想通りとはいかないけれど、自分の大切にしたい部分は実現できる。
または、実現できるように努力することができる。
『トニカクカワイイ』ではそういったことを教えてくているような気がする。
その重要な真実を青少年が知れる機会となること、気づけることはとても重要なこと。
今後の展開について
『トニカクカワイイ』は今後どのような展開になっていくのか。
謎に包まれた司ちゃんの正体やナサ君の就職先は？
読者としては、このままずるずると、いちゃいちゃしているだけの様子を見ていたいのだが、漫画としては展開をしていかないといけないジレンマがあるので、展開をしていくのだろう。
おそらく、司ちゃんがどこかに帰らないといけなくなって、それをイカレ数学野郎のナサ君が天才的な頭脳で阻止するといった熱い展開になるのではないかと考えている。
絶対にないとは思いますが、個人的にはナサ君と司ちゃんの子育て編が見てみたい！！！
理想の結婚生活だけではなくて、理想の子育てまで描いてほしい！！
お願いします！！
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