バズりたいなら読むしかない!『さいとうなおきのもったいない!イラスト添削講座』 【感想】

イラスト上達法

こんにちは。ひゅうが(@hinatanohyuga)です。

2022年の正月休みを使ってイラスト関連の本を読んでいたのですが、久々にすばらしい本に出会ってしてしまいました・・・・。

その本が・・・今回紹介する『さいとうなおきのもったいない!イラスト添削講座』です!

SNSで「バズる!」イラストを描きたいけど、自分のイラストをどう改善したらいいか悩んでいる方に超おすすめします!

イラストを描いている人ならご存じ方も多いかもしれませんが、著者はYoutubeでイラスト講座を配信している超人気Youtuber さいとうなおき先生です(登録者数49万人 2021年7月時点)

本書の内容もYoutubeの「きまぐれ添削」という企画で行われている、視聴者から投稿されたイラストと相談内容をもとに、どうしたらさらに魅力的なイラストになるか、作者の意図をうまく表現できるイラストになるのかということについて、さいとう先生が添削し、かつ、実際にBefore→Afterの修正まで行って解説をしてくれるという神企画を書籍化したものとなります。

はじめにの部分でも述べられているのですが、『絵を描く上でぶつかる壁や、悩むポイントは、みんな共通する部分が多い』ということに着目し、視聴者のイラスト例を元に、修正方法のテクニック・考え方を超・超・超分かりやすく教えてくれるところがこの本の素晴らしいコンセプトとなっています。

まず一番初めに伝えておきたいさいとうなおき先生の好きなところなのですが、この講座では単に直した方が良い点をつらつらと書いているだけではありません。まず始めにイラストの素晴らしい点を絶対に褒めてくれているんです!

添削される作品を送った人も、添削される心構えはできているものの、一生懸命時間をかけて描いたイラストを褒められるとうれしいでしょうし、「表現に正解はなく」、添削もあくまで一つのアドバイスという大前提をはっきりと主張してくれている点が、初心者にとってはとてもうれしい点だと考えます。

掲載されているテクニックは、初めてイラストを描き始めたという人よりかは、ある程度自分でいろいろとイラストを描いた上で、何か物足りない・・・何かおかしいけどその違和感が分からないという中級者向けのものが多いように思います。

超基本的な色の塗り方や影のつけかたといった内容は載っておらず、構図をどのようにすると魅力的な絵になるのか、自分がイメージする理想のイラストを表現するにはどうすればいいかといった観点のテクニックが満載となっています。(影の塗り方等はYoutubeで見てみるとよいかと思います)

この本をお勧めするのは以下のような方です。

 
イラストを自己流で描いてきたが、もう一段階完成度を上げた魅力的なイラストを描きたい人

構図やエフェクトについてどのように描けば良いか悩んでいる人

自分のオリジナルキャラの魅力、内面、能力を上手く表現したいと思っている人

自分の伝えたいことを効果的に表現したいと悩んでいる人

本書のおすすめテクニックを紹介

ここからは、本書を読んでみて、特に自分のイラストに反映したいと思った点を簡単に紹介していきたいと思います。

ただ、この本の良いところは実際のイラストをもとに、Before→Afterでテクニックを紹介しているわかりやすさなので、気になった方はぜひ本書を購入して読んでみてください。本を読むと100倍よく理解できます。

バズるための取捨選択(見せたい部分とそれ以外)

本書では「バズる絵が描きたい!」という視聴者の投稿に対して、「バズる」には見ている側の「分かる!」を引出し、共感してもらう必要があると書いています。

顔、手、足といった全ての部分を頑張って、完璧に描き上げることができればもちろんいいのですが、初心者だと途中で力が尽きてしまい、全体的に中途半端でどこを見てほしいのか分かりづらくなることが多いように思います。私もよくあります(涙)

本書では、見てほしい部分以外はうまく隠しつつ、見てほしい部分は描き込みを増やし、「ここだけを見てほしい!」と的を絞ることで、見ている側に「分かる!」と共感してもらいやすくなるという重要なことを教えてくれます

何か表現したいこと、共感してもらいたいこと(推しキャラの可愛さ 等)があってイラストを描くはずなので、まず初めに見てほしい部分とそうでない部分を明確にし、見てほしい(共感してもらいたい)部分を集中して描きこんで、見る側に気付いてもらう努力をするということの重要性に気付かせてくれませました

描きこむ部分、方法というのはいろいろあると思うのですが、本書ではその方法についても具体的に紹介してくれています。

顔の重要パーツである口をあえて隠して、その他の目や髪に注目が行くようにする。そしてその分、目の輝き、髪の影、ハイライトの書き込み、背景との明度や彩度を使い分けて強調する方法などが紹介されており、即戦力となりそうなテクニックが満載で非常に役に立ちました。

シルエット・前後間・リムライトでかっこよさを表現!

イラスト初心者である私は、人物や背景の構図に悩むことがよくあるのですが、本書では魅力的な構図についても説明をしてくれています。

かっこいい構図、イラストは、シルエットの時点でかっこいい!!」

本書で紹介されている方法は、一旦イラスト全体のシルエットを黒で塗りつぶし、一番始めにシルエットだけで確認をして、かっこよくなるように変更をしていくという方法を推奨しています。ざっくりとしたでこぼこやディテールを混在させることで絵としての面白さが出てくるとのことです。

また、背景、地面、キャラのポーズを使って前後間を出すと奥行きが生まれて躍動感・ダイナミックさが生まれるため、ぼかしや影を使って前後間を強調するとよいらしいです。

そして、かっこいいイラストでは、ところどころで引き締め効果を狙うための、リムライトを際立たせることも推奨されていました。

かっこよさや可愛さといった表現は人物の顔だけで決まるのではなく、構図やシルエットを考えて表現することで、さらに強調することもできるのだということを知ることができました。

構図のメリット・デメリット(そしてコツ)

本書では代表的な構図である、①立ち絵構図、②引き構図、③見下げ構図、④見上げ構図、⑤トリミングといった5つの代表的な構図について、メリット・デメリット、さらにはうまく描くためのコツまで、イラスト付きで紹介してくれています。

少し紹介をすると、③見下げ(フカン)構図のメリットは「顔を大きく見せられるので、すごくキャッチ―に見えること」、④見上げ(アオリ)構図のメリットは、イラストが大きな三角形の構図になるので、大迫力になることで、肉感や質感を表現しやすく、ちょっとエッチな表現をしたい時にもピッタリ!」といった説明がされています。

今まではあまり構図ごとのメリットデメリットを考えずにぱっと思いついた構図を使っていたのですが、自分の描きたい部位や伝えたいフェチポイントに合わせてメインの構図を考える重要性を今一度考えさせられました。

確かに、④見上げ(アオリ)構図はいいですよね・・・。むちむちの感じが出しやすくセクシーに表現できるような気がするので個人的には大好きです。

覚えておきたいお絵描きマルチテクニック(13項目)

本書では、さいとうなおき先生が厳選した、絵の見栄えを一瞬でよくする裏技テクニックについて13項目をリスト化してくれています。ありがとうございます!さいとうなおき先生!!

本書で紹介されているテクニックが簡潔にまとめられており、どれも使っていきたいテクニックだったのですが、私が特に気になった項目としては、以下の3項目でした。

画面て前にキラキラやパーティクル(ダスト)を入れると動きがでる。
ポーズの服やしわは写真やモデルを見ながら描く。
キャラクターの背景やストーリーを考えながら描く

2つ目の「ポーズの服やしわは写真やモデルを見ながら描く」については、さいとうなおき先生レベルであれば、何も見ずにぱぱっと書いているのかと思ったのですが、そうではなく、うまい人でも写真やモデルを見ながら細部を書き込む必要があるということを知り、初心者の私はなおさらよく資料を見て書かなければと気持ちを新たにしました

上げてくださっている13項目については、どれも本書の中で具体的なイラストを使い、Befor→Afterで紹介してくれているため、イメージがしやすく、すぐに真似したくなる要素がいっぱいですので、ぜひ本書を購入して、自分でも気になる項目を確認してみてください。

背景を描かずに背景を描く(?)

タイトルを見ただけだと何を言っているんだこいつ・・・・と思われそうですが、さいとうなおき先生がおっしゃっているんだから信じてください。

内容としては、描くのがとても面倒な背景だけど、実はぼかしやキャラクターに落ちる影の演出方法で、木や葉っぱを描かなくとも「木陰にいる」と見る人に想像させることが可能というような内容でした。

にわかには信じられないと思うのですが、実際に本書を見てみると、明度を変えた緑の丸をいくつか書いてぼかし、すこしの光をキャラクターに書き込むことで、木々に囲まれた中でにキャラクターに木漏れ日が落ちているというかなりおしゃれな背景のイラストになっていることに驚愕を覚えます。

これなら自分でも簡単に真似できそうだと素直に思いました。

やっぱり背景って面倒ですし、自分にとってはキャラクターを可愛く描くことが現時点の一番の目的なので今回の背景を簡単に描いてキャラクターを強調させるという趣旨はとても目的に合致していると思います。

とにかく、明度を変えた緑の丸と、木漏れ日の光だけでこんなにもオシャレな表現ができるなんてイラストは奥が深いなぁと思わせてくれる内容でした。

本書の素晴らしい点について

本書を一通り読んで思った感想です。

Youtubeのイラスト解説動画の方では、さいとうなおき先生の明るいお人柄と、とにかくわかりやすい話し方、明解な論理が大好きなのですが、書籍版の方にもそのテイストがうまく落とし込まれていて素晴らしいなぁと感じました。

本を読んではいるのですが、頭の中で「それ、間違ってますよ!!」のテンションでさいとうなおき先生の声で再生されている感じがしました(笑)。

特に、添削の初めにGOODな「いい点」を述べてくれているところや、なぜ違和感があるのか、どうすればもっとうまく表現できるのかということを初心者目線で解説してくれているやさしさが随所にちりばめられていると思います

本書の方で最後の方にお絵描きマルチテクニックリストとしてまとめてくれている点も、見た瞬間に「ありがとうございます、さいとう先生」と思わずうなってしまいました。

さいごに

あとがきに、本書はさいとうなおき先生からの成長のプレゼント!そして、気まぐれ添削という企画に応募してくださった方からのプレゼントでもあるという趣旨のことが書かれており、非常に納得してしまいました。

見てくださっているかはわかりませんが、このブログでも感謝を述べたいと思います。
とてもすばらしいプレゼントをありがとうございます。とてもためになりました!

また、いろいろと添削をしてくださる一方で、以下のようなことも書かれています。

表現には正解なんてない!

さいとうなおきのもったいない!イラスト添削講座 P142

「う~~ん。自分ならこうするのに!!」
その疑問や違和感を、なにより大事にしてほしいんです。
あなたの感じた心の声こそが、最後には「あなたの表現」になるからです

さいとうなおきのもったいない!イラスト添削講座 P142

あくまでイイラストは自分が楽しむことが第一と考えつつも、やっぱり上手く描きたいし、いろんな人から褒めてもらいたい(自分の好きなものを共感してもらいたい)。

そのためのテクニックを惜しみなく、かつ具体的なイラストのBefor→Afterを踏まえてここまで分かりやすく解説したイラスト本は今までなかったと思います。

今の自分のイラストに悩んでいる人、もっと上手くなってバズるイラストを描きたい!!!と熱い気持ちを持っている人はぜひこの本を手に取って熟読してみてください。
きっとすぐに自分のイラストに取り入れられるテクニックがたくさん見つかると思います。

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