こんにちは。ひゅうが( @hinatanohyuga )です。
ビジネス書で久しぶりに感銘を受けた本に出合えたので紹介をしたいと思います。
どうしたら満足の行く働き方ができるのか。どうしたら幸せになれるのか。どうしたらお金を増やすことができるのか。いままでの仕事を頑張っていればすべてよく、会社が終身雇用を保証してくれる時代ではなくなってしまった今、これらの話題について個々人でよく考えることが求められています。
しかし、いきなりこれらについて考えろ!っと言われてみても、いままでそのようなことすら考えたことがなかった人にはさっぱり何をすればいいのかわからず、いたずらに悩んでしまうだけの人が多いのではないでしょうか。
今回紹介する『人生の格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』木暮太一著では、 これらの疑問について、マルクスの『資本論』をもとに資本主義の構造という根本的な部分から得られるヒントをもとに、現時点での最適解と呼べる点について説明をしてくれています。
私がこの本を読んで、特に素晴らしいと思った点は以下の点です。
・聞いたことはあるが詳しくは知らないマルクスの『資本論』という資本主義の構造という視点から働き方を考察しており、新たな視点を与えてくれる(新たな価値観を与えてくれる)
・重要な論点、主張、説明が何度も繰り返し述べられており、比較的難しい資本論の考え方に置いていかれることなく、スムーズに読むことができる。
・私たちの働き方が苦しい理由について、根本的な原因を考察したうえで、その原因についての対策を現実的な視点から提示してくれている。
・単に楽しいと思えることを仕事にしなさいとか、不動産や株といった金融資産を手に入れて不労所得を増やしなさいとかいう現実離れした話で終わらせない。
・とにかく論理性がしっかりとしていて、読んでいて楽しくなってくる。読後感がさっぱりしている。
ビジネス書において必要なことは、読者に新たな視点・知識を与えてくれる、主張がはっきりとしていて納得できるものである(論理性がある)ということであるが、この本においてはずば抜けてこの点がすぐれていて、久しぶりに素晴らしい本に出合ったと幸せな気持ちになりました。
最近、私自身働き方についていろいろと考えてはいたものの、どのように考えるべきかは行き詰っていたところでもあったため、資本主義の構造という新たな視点を手に入れて、また思考の幅が広がったように思われる。
面白かった観点は以下の通り。詳しい点は本を読んでみてみてください。
どの観点もあまり聞いたことがないものもありつつ、聞いたことはあるけれどそういった観点では見たことがなかったなぁという新たな発見がありました。
・「価値」と「使用価値」の違いについて
・私たちの「価値」は「必要経費の積み上げ」によって決まっている(価値の再生産)
・総労働時間=必要労働時間+余剰労働時間
・資本主義経済を生きる私たちのジレンマ
・もっと上の給料を目指した結果、残るのは激務のみ
・どうすれば「自己内利益」を増やせるのか
→満足感を変えずに、必要経費を下げる方法
→必要経費を変えずに満足感を挙げる方法
いつまでこの苦しい働き方を続けるのかと嘆き、責任を社会や会社のせいにすることは簡単ですが、それだけではいつまでたっても苦しいままです。
本書の終わりにでは、「労働者の働き方に責任があるのは、労働者自身である」と書かれています。
本当にその通りで、現状を嘆くだけではなく、動けるうちに、知識を得て、考え、行動し、実践することでしか変わることはできないのだと思います。社会や会社を変えるより自分を変えていく方が現実的かつ効率的です。
最後に、本書は今後の働き方について新たな視点を得たいという人にとってとてもおすすめですので、ぜひ本を手に取って読んでみてください!!
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